ハンセン病国立療養所大島青松園で暮らす詩人の塔和子さんの詩による合唱組曲の演奏会が、2006年3月18日、神奈川県横浜市西区の横浜みなとみらいホールで開かれる。
演奏会を開くのは、社会人のアマチュア合唱団「新声会合唱団」で、大島青松園を訪問して塔さんとの交流を重ねてきた。この演奏会では、新声会合唱団の主宰者である柳川直則さんが作曲した混声合唱組曲「日常」を初めて披露する予定。1990年にも塔さんの詩集に、同じく柳川さんが作曲した混声合唱組曲「人の林で」を演奏。その後、2002年に香川県高松市で開催された香川芸術フェスティバルなどでも演奏している。この時の様子はドキュメンタリー映画「風の舞」(宮崎信恵監督)でも取り上げられた。
塔さんは愛媛県出身で、1944年に大島青松園に入所。28歳で詩を書き始めるようになり、療養所での生活から生まれる詩は高い評価を得ている。1999年には詩集「記憶の川で」が高見順賞を受賞。また、2003年には映画「風の舞」の主人公にもなった。
今回演奏する「日常」は、「療養所の過酷な生活のなかで生まれたとは思えない温かな夫婦の日常を描いたもの。塔さんの詩をより多くの人に伝えていきたい」とのこと。
[2006年3月4日、モグネット]