「やおや通信」は、阪神淡路大震災後より神戸の仮設住宅をまわっている八百屋さんの主、加納さちあさんによるものです。
仮設住宅のおばあちゃんが今日も亡くなった。
病院に長期入院したまま二度と会えなかった。
自宅を再建したり、公営住宅に移っていった方々も、
お通夜に集まってきて久しぶりの再会を喜び合っていた。
でもみんな、めっきり老けこんだようだ。
公営住宅に移っていってもさみしさはいやされない。
仮設の時に比べてボランティアが訪れることやイベントもほとんどなく、
自治会長が使い込みをしたり、となり近所のつきあいもほとんどない。
八百屋で落ちあうときを唯一の楽しみとしているおばあちゃんたちも多い。
畑を始めた。障害者・高齢者と共に耕している。
共に教えあい、学びあいながら育てていけたらと願っている。
[加納さちあ、FIWC関西委員会定例会報告1998年6月号]