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ニュース ハンセン病 イベント&ワークキャンプ 茂木新聞社

宇宙世界通信 第13号 1997.5.15発行


目次


耶馬渓特集#1

1997春 耶馬渓キャンプ報告

服部雅行


 全生園にて

お花見

OH MY LITTLE GIRL

日韓合同ワークキャンプについて

作業所ばなし

八王子平和の家

宇宙世界通信 第13号

1997春 耶馬溪キャンプ報告


参加者;鈴木、荒牧、西村、田中、浜島、浜田、服部、松田、西垣、山中、坂口、江口、宮田(武)(さとし)、橋本、山田

途中、雨に降られるときもあったが、おおむね良好な天気でさわやかな季節。随分顔も日焼けした。
例年通り、稲床づくりがメインワーク。山から土をとってきてふるいにかけ苗箱につめる。種もみは鈴木さんは超うすまき、荒牧さんは厚まき(苗箱にまくもみの数の違い)。さて、どちらがうまくいくか?秋が楽しみ! にわとりの数が増えた。一日にとれる卵は600弱。磨くのが大変。にわとりのえさがキャンプ中にホストハーベストフリーになった。値段は高いも安全性はぐっと高まる。
いっさくさんの息子さんが5/3に結婚した。むらにお嫁さんが来た!「きれいな着物!」と思わず口にしてたのは誰?
ギョウザづくりご苦労様。皮も自家製の力作。食べ手が多すぎて、一人7個までの制限ルール。うまかったね。
荒牧さんが、小学校の前に古屋を借りて文庫をつくった。子供たちが気軽に寄れるスペース〜本を読んだり、大人と話をしたり…・。荒牧さんにはこれを拡大したフリースクール構想がある。不登校の子供たちと自然や農を通じて向かい合うことをねらった学校だ。子供たちだけじゃない、我々大人たちも自然から学ぶべきことがたくさんあるに違いない。実現に向けて僕らも応援していきたい。
今回もたくさんの人が集まった。「やっぱり耶馬溪は人気あるよねえ」田中宇宙。フィリピンからかけつけた浜島さん。バイクで人生さがしの旅の途中、無理矢理キャンプにひきずりこんでしまった浜田君。どんな印象を持ったのかな?さとしくん、田舎の暮らしは君にどう映ったのだろう?江口君、福岡での新生活はどうだい?鈴木さん、荒牧さん、家族の皆さん、今回もお世話になりました。サラもしょうもこうたろうも来るたびに大きくなっていくよな。
そして耶馬溪の大自然の営みに感謝しつつ…
また来てもいいですよね。

宇宙世界通信 第13号

「遠き土に種籾が今芽を吹いて」             服部雅行

田んぼの話をしよう。田んぼは食料の供給をするだけではない。緑の水田は、熱帯雨林に次ぐ酸素の供給基地でもある。加えて、水を張った田は、水源の役割も果たす。日本の水田からの地下への浸透猟は、全ダムの有効貯水量の3倍以上もあるという。
山の話をしよう。山は、森は動植物の命をはぐくむと同時に、山のふもとに住むぼくらに土や水を供給してくれる。山の幸も分け与えてくれる。タケノコ、ワラビ、サンショ、とても美味しかった。
水田は山や森の恩恵を受けて成り立っている。そして、森や田んぼがある風景こそが、僕らは日本的な美しさを感じるのではないだろうか。雨上がりの森は緑が一段と濃くなって目を奪わんばかりだ。
水のざわめき鳥のさえずり、耳にやさしい。山からもらった薪で風呂をたく。煙がのぼる農村ののどかな景色。
ここに来ると、山村の大切さ、豊かさをこれほど実感できるのに、それなのに僕らはこれらに経済のものさしを持ち込んで無残に荒らしてしまった。高度経済成長機からずっと森を山を切り刻み、山間の田んぼは効率が悪いとまっさきに減反の対象にしてしまった。山や森や農を切り捨て、都会や工場で得る「豊かさ」とは一体何なのか。
明日庄の荒牧さんが、ここ耶馬溪に自然や農を通じて学べる「家」をつくろうとしている。子供たちや都会の人が集い、真の豊かさを考え、実践していける場ができたらどんなに素晴らしいか。そこからそんな価値観が連鎖して広がっていけば、豊かな大地や豊かな社会を次の世代に残せるのかもしれない。
もっとたくさんの人に、日本の農村、山村を知ってほしい。見てほしい。自然と出会い、そこで人と出会い、語らい、ぼくたちがすべきことできることをみつけていきたい。


全生園にて
最近、尾形さんが「らい予防法廃止1周年記念フォーラム」なるものを始めた。おれは全生園で月に2回、資料館の仕事の手伝いをしながら、このイベントの話しにもかんでいる。
ハンセン病のこと、日本の隔離政策のこと、実名で生きられなかったり、色んな話しを聞いた。ここ最近ね。
90年に日韓合同ワークキャンプに参加して以来、そうしたことを知らずにここまでやってきた。阿呆という他はないが、おれは他のことを考えていたし、それについては真面目にやってきたつもりだ。たった今ハンセン病のことを知らない人々のことを「阿呆かもしれん」とは思うが、案外そうでないのかもしれん。選択の場を与えられていないというだけで。


お花見
4月6日  全生園の桜はきれいだった。雨が降っていたがここに集まってきた人たちにはあまり関係が無いのだった。雨に濡れた桜はしっとりとしてすごくよかった。うちの作業所の人たちも来てくれた。おれと梅澤さん(所長)は調子に乗ってステージの上で歌った。その際さりげなく「あつい壁」の上映の話しをしたので、沢山の人が資料館につめかけた。会場では涙ぐむ人もいた。


OH MY LITTLE GIRL
5月7日
今日「愛する」という映画を観た。6月にやるフォーラムで無料上映することになっていて、今回は試写会。遠藤周作原作。
渡部篤郎が「スワロウテイル」で1回見てからずっと好きなので注目していた。しかし、酒井美紀が可愛い。なんか実際より可愛く感じるなーと思っていたら、冬に咲いている白いバラを二人で見る場面で、3年前に付き合っていた彼女のことを思い出した。冬に咲く花という詩を描いたのを思い出した。FLASH BACKしながらぼろぼろ泣いた。この映画のようなメルヘンチックな女の子像からおれは抜け出れていないし、彼女もそんな女の子だった。同じ幻想を共有していた。
ハンセン病のことをおれたちは最初に考え、どう伝えてゆくか考えていかなければならないのだが、おれがこの映画を観て考えたことは、もっと個人的な、右脳の巣に近づくような、すごく甘い思い出だった。(宇宙)


日韓合同ワークキャンプについて
片山裕子に電話をしてみた。今年の関東委員会の韓国キャンプのリーダーである。よると、ワークの下見に行くかどうかで悩んでいるらしい。
つまり
下見の時点から韓国に行かないとハナヘ(韓国外大)主導的なキャンプになる。(あくまで共同責任で行いたい。)
しかし、今年からキャンプ地を変えるので、候補地探し・候補地決定&ワーク確定の軽2回の下見を行うことになる。
そのうえ、下見調査に対しては今まで関東委員会はリーダー(或いは下見人)の自己負担であるとして、その分の費用を支払っていない。
このあいだの関東委員会の定例会でも藤岡さんが似たような話しをしていて(関西委員会は下見費用として1人につき5万円としていて、藤岡さんはそれでは足りないので出して欲しいという話しだった。)、様子を見ようということになった。
ともかく、関東委員会が今まで下見の費用を出してこなかったというのは道義的におかしい。少なくとも関西並みに5万は出すべきだし、2回下見に行くことでそれ以上に必要になるなら、それも話し合うべきだ。最近、定例会での話題がシンポジウム関係の話しで忙殺されて、他の話しができんという弊害が出てきて一部波紋を広げているが、韓国キャンプはおれによれば縄文時代の遺産でありFIWCにとってなくてはならぬものだ。このくそ5月の時点で説明会も予定されていないし、話しにも出てこないというのは非常にヤバイと言わざるを得んし、本来ハンセン病に関わるシンポジウムをやることと韓国のハンセン病の定着村でワークキャンプをやることは同じ流れの上にある。定例会での話しはそんなふうに考え合い、思い合いながらなされるとよいと思うが、最近の定例会はどうも一方通行である。走りにくいことこの上ない。関西もこうだったのかなぁと思うと、つくづくFIWCは反省のできん団体だなぁと思う。そういう人間が集まってくるところなのかもしれん。もしかしたら日本という国自体もそうなのかもしれん。
ならなおさら言わなきゃなんねえな。そう思いませんか?

宇宙世界通信 第13号

作業所ばなし

リサイクルショップをつくろう!
小林さんとバトミントンをした。
意外にうまかった。
しかし本当は意外でもないのだ。小林さんの文章を読むと何かを感じるし、森さんの「調子悪くなってうち帰ったけど、掃除とかしてたら治っちゃった。」ていうのもうれしい。何かニコニコとしてしまう。
この場にいると、そういう人を愛おしく思えるようなパワーがわいてくるのを感じる。どこかに通風口があって、そういう空気がゆるゆると流れ込んでくるようだ。壁と小さな窓が想像力をかきたてる。梅澤さん(所長)のとぽす「ひびきの会」発足を受けて新提案は「リサイクルショップをつくろう」といううもので、この高橋さんの大事なときに、この大胆な発想とは、楽天的な彼らしくてとても好き。応援しますよ。男としてね。毛利元就のように。
そして、そんなゆかいなリサイクルショップがお目見えしたら、近所の方々にも悠歩舎のやさしい空気を味あわせてあげたい。
いろんな人が助けて下さると、そんなすてきな場所になることがうけあいです。  それはめでたいですな。 (悠歩舎非常勤職員・田中宇宙)


八王子平和の家
スペシャルオリンピック
参加者 多田 飛田 目黒 大西 片岡 原田
5月10日(土)11(日)八王子平和の家の入居者の方達が米軍横田基地で行われた関東スペシャルオリンピックに参加しました。スペシャルオリンピックは、1968年からアメリカで知的障害者に対するスポーツ競技として開始され、横田基地では1980年から開始されました。平和の家では数年前から参加しているのですが、今回FIWCのメンバーも6名ボランティアとして参加しました。競技種目は50m走、100m走、ソフトボール投げ、ボーリング等いろいろとあり、アメリカ人と日本人が入り混じって競技を盛り上げていました。2日間ともいい天気でのんびりとした雰囲気のオリンピックで入居者の方達と一緒にとても楽しく過ごしました。 (原田健一)

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