日・韓・台の原告、支援者/05年10月26日、厚労省前で
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らい予防法が廃止された1996年から、ハンセン病の取材をしてきました。この間、回復者(元患者)が起こした4件の裁判の支援活動にも関わりました。国賠訴訟、韓国ソロクト・台湾楽生院の補償請求訴訟、多磨全生園医療過誤訴訟です。
それぞれの裁判が進む中で、声を上げて名前を名乗り、被害をはっきりさせる当事者が少しづつ増えてきました。「死ぬ思い」でカミングアウトした人もいます。人によって、カミングアウトの範囲はさまざまです。顔も名前も故郷の地名まで出した人もいれば、顔は出しても本名は出せないとか、故郷は明かせないとか。しかし、このことが世論を大きく動かす力になったし、当事者の人権や尊厳の回復にも繋がったと強く感じています。
家族、友だち、故郷、社会との「絆」を絶たれてしまった回復者が、長年苦難をしのんできた末に、裁判を闘って、名誉回復し、家族や故郷との「絆」を結び直しつつあります。いまその延長で、日本が植民地支配した韓国や台湾の回復者たちを支援し、ともに闘う日本の回復者の姿があります。
いったん絶たれた「絆」ですが、日本だけでなく、東アジアの人たちとも新たに結ばれつつあります。らい予防法の被害を受けた、日本、韓国、台湾の回復者が再び「絆」を結び、当たり前の生活に戻って行けるような社会になって欲しいと願います。(八重樫信之)
日時 | 2006年3月13日(月)〜4月21日(金) 9:30〜17:30(毎週土・日、祝日休館)、最終日は12:00まで |
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会場 | 人権教育啓発推進センター・人権ライブラリー [地図はこちら] 東京都港区芝大門2-10-12 秀和第3芝パークビル4階 Tel: 03-5777-1919 |
入場料 | 無料 |
1943年、中国・長春に生まれる。69年朝日新聞社入社。新聞・雑誌のカメラマンとして34年間勤務し、今年10月に定年で退社。現在フリーで活動している。
[2006年3月13日、八重樫信之]