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ハンセン病事実検証調査事業 委員の紹介

ハンセン病事実検証調査事業 委員名簿

委員区分 委員氏名 委員役職・所属
検証会議 鮎京眞知子 弁護士
検証会議 和泉眞蔵 アイルランガ大学熱帯病センターハンセン病研究室
検証会議 内田博文 九州大学法学部長
検証会議 金平輝子 元東京都副知事
検証会議 神美知宏 全国ハンセン病療養所入所者協議会事務局長
検証会議 谺雄二 ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会会長代理
検証会議 鈴木伸彦 読売新聞社社会部次長
検証会議 藤野豊 富山国際大学人文社会学部助教授
検証会議 藤森研 朝日新聞編集委員
検証会議 牧野正直 国立療養所邑久光明園園長
検証会議 三木賢治 毎日新聞社論説委員(司法担当)
検証会議 光石忠敬 弁護士
検証会議 宮田一雄 産経新聞編集局次長
検討会 井上英夫 金沢大学法学部教授
検討会 宇佐美治 長島愛生園入所者
検討会 岡田靖雄 精神医療史研究会代表
検討会 酒井シヅ 順天堂大学医学部客員教授
検討会 佐藤元 東京大学医学部講師
検討会 鈴木則子 奈良女子大学生活環境学部講師
検討会 並里まさ子 栗生楽泉園副園長
検討会 能登恵美子 (株)皓星社編集部編集者
検討会 松原洋子 立命館大学産業社会学部教授
検討会 丸井英二 順天堂大学医学部教授
検討会 森川恭剛 琉球大学法文学部助教授
検討会 魯紅梅 順天堂大学医学部大学院生

委員の声(第1回ハンセン病検証会議にて、2002年10月16日)

鮎京眞知子(検証会議・弁護士)
薬害エイズ・ハンセン病の裁判にかかわった。報告書作成は重要だが、この会議の活動を多くの人―委員・マスコミ・傍聴者―が最後までみとどけることが大事だ。

和泉眞蔵(アイルランガ大学熱帯病センターハンセン病研究室)
国際協力事業団(JICA)のシニアボランティアとしてハンセン病研究をインドネシアの大学でおこなっている。東ジャワ州での去年のハンセン病新患数は3785人で、2000、2001年と増加傾向にある。
世界保健機構(WHO)は多剤併用療法(MDT)による2年間の治療をすすめ、再発率を0.2%にさげることに成功した。しかし、その後治療期間を1年に短縮し、その再発率データがないまま今度は6ヶ月に短縮しようとしている。その実験をスラウェシ島の大学と共同でおこなっている。
ここで重要なことは、ハンセン病撲滅につながるこの研究の研究費を出資しているのが、国賠訴訟で賠償金・補償金をえた原告団だということだ。彼らのお金が世界のハンセン病のために役立っている。
日本では、35年間ハンセン病専門医として活動し、京都大学で療養所外治療をし、熊本地裁では原告側証人となった。
検証会議では、国際社会において異常だった日本のハンセン病政策における専門家のあやまちについて、自分の反省をこめてあきらかにしていきたい。

内田博文(九州大学法学部長)
専門の刑事法をとおして人権問題を考え、日本国憲法最大の人権侵害についてあきらかにしたい。

金平輝子(元東京都副知事)
平成7年の「『らい予防法』見直し検討会」ではじめてハンセン病にかかわった。

神美知宏(全国ハンセン病療養所入所者協議会事務局長)
局長に就任して7年がたつ。熊本地裁判決後、坂口厚労相は「真摯に全面解決のため取り組む」といったが空念仏に終わるのではないか。1世紀近くにおよぶ人権侵害後、6年たったがまだまだ解決の入り口にたっただけだ。だからこそ検証会議は重要だ。今時点では、真の人権回復をなし得たのかという問に対しては否といわざるをえない。国民に情報を開示し、各自が責任をみつめなければならない。

谺雄二(ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会会長代理)
熊本地裁の判決・控訴断念後の総理談話にもとづき厚労相が真相究明を約束した。その後15ヶ月が経過し、検証会議は発足しないでいた。なぜこれほど遅れたのか。それ自体ハンセン病問題が軽視されている証しだ。隔離のもと死んでいった人は23800人。水子も殺され、ホルマリン漬けになっている。遺骨が残っていない人もいる。そうした人たちの名誉を回復し、再発を防止せねばならない。彼らの代表のひとりとして会議に参加する。

鈴木伸彦(読売新聞社社会部次長)
欠席。

藤野豊(富山国際大学人文社会学部助教授)

藤森研(朝日新聞編集委員)
ハンセン病問題は気になりながらも不勉強のままだった。熊本地裁の判決をきき、粛然とする。メディアが歴史で果たした功罪、メディアにかかわる者のひとりとして、また国民のひとりとして、なぜハンセン病問題がおきたのか、また今も起きているのかを考えたい。

牧野正直(国立療養所邑久光明園園長)
平成7年「『らい予防法』見直し検討会」にかかわった。医学者・医師が何をしたのか検証したい。

三木賢治(毎日新聞社論説委員・司法担当)
2001年5月の熊本地裁和解後、社説を書き政府に和解をすすめたが、具体的にハンセン病の取材をしたことはなく、論説会議においても反省した。国のハンセン病政策に対して新聞は無力だった。新聞のあり方を含めて、検証会議に参加したい。

光石忠敬(弁護士)
日弁連の要請で参加。人権擁護委員会にて、医療における人権にかかわっている。日弁連は法律家団体として何もしてこなかった。これからの日本の形に重要な問題だ。医学・医療を行政がどのように利用していったかを検証したい。

宮田一雄(産経新聞編集局次長)
エイズ関連の特定非営利活動法人(NPO)の理事でもある。

井上英夫(金沢大学法学部教授)
1986年青森県松丘保養園訪問を機に日本社会における飼い殺しに対して目が開かれた。それ以降ハンセン病療養所を訪れているが、直接は役立っていない。検証会議をとおして再発防止のシステム・政策評価の仕組みをつくる。

宇佐美治(長島愛生園入所者)
53年間、愛生園で生活している。

酒井シヅ(順天堂大学医学部客員教授)
専門は医学史。将来に向けて重要なデータベースをつくりたい。

佐藤元(東京大学医学部講師)
アメリカにも1970・80年代隔離法が存在し、ハワイのモロカイ島やルイジアナのカービルに隔離施設があった。世界の例との比較政策研究をおこなう。

鈴木則子(奈良女子大学生活環境学部講師)
専門は日本近代史。近代国家がつくりあげた差別以前の江戸時代の差別―部落・身体障害・ハンセン病―をあきらかにする。

並里まさ子(栗生楽泉園副園長)
専門は皮膚科。ハンセン病再発・薬剤に関する世界的問題を考えたい。閉ざされた世界の医療はどのようなものだったのかを可能な限り客観的に調べる。諸外国との比較もおこなう。

能登恵美子(皓星社)
ハンセン病文学全集を配本中。入園者の本を刊行するうち、それらを体系的にまとめたいと思うようになり、現在は鶴見俊輔氏と仕事している。明石海人全集をつくったとき、子供の作品にふれ、それ以後は目が離せなくなった。入園している子供たちは教育の機会がなく、強制労働をさせられ、父母と引き離された。これらの事実を残したい。作品が語る被害・強制隔離の実態を検証したい。彼らにとって「書くこと=生きること・社会とのつながり」だった。

松原洋子(立命館大学産業社会学部教授)
科学史・科学技術社会論・優生学を研究。優生保護法の成立過程を検証したい。ハンセン病患者に対する断種・中絶規定が戦後拡大されたのはなぜか。療養所における不妊手術・堕胎にとりくむ。

森川恭剛(琉球大学法文学部助教授)
専門は法律学。差別を法学的に考える。熊本裁判判決後、それが忘れられていくのではないかと危惧を抱き、残したいと思った。

魯紅梅(順天堂大学医学部大学院生)
医師学・医学倫理が専門。7年前中国から来日。それまでは吉林で内科医をしていた。朝鮮語が出きるので、かつての日本占領下にあった地域のハンセン病研究をしたい。

[原田僚太郎 2002年10月17日]

(2002年12月13日更新)


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