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結純子ひとり芝居 地面の底がぬけたんです

終了

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写真:太田順一

あるハンセン病女性の不屈の生涯

藤本としは1901年(明治34年)に東京・芝琴平町で生まれた。子供の頃は芝居好きの母親に連れられ、よく歌舞伎を観に行った。縁談がととのった18才の時、突然、自分がハンセン病であることを知り、はかり知れない衝撃を受けるとともに、絶望の淵に立たされる。数年後に相次いで両親を亡くし、自殺を図ったが果たせなかった。以後、療養所を転々とする間に全身が麻痺し、47才のとき失明。しかし不自由にもかかわらず、唯一感覚の残った舌を使って点字を読み、過酷な人生にもかかわらずいつも笑みを忘れず、病友にも慕われた。1987年(昭和62年)岡山県の国立療養所邑久光明園で死去、86歳だった。
彼女の自伝的な聞き書き・随想集「地面の底がぬけたんです」(思想の科学社刊)は人間の生き方を深く考えさせる感動的な本である。ひとり芝居「地面の底がぬけたんです」は女優結純子がみずみずしい感性と豊かな表現力で藤本としの不屈の生涯をいきいきと再現し、観客の心を揺さぶり、生きる元気を与えてくれる。
上映時間1時間45分。

日時 2006年7月12日(水) 昼・夜2回公演
昼の部:14:00開演(13:30開場) 夜の部:19:30開演(19:00開場)
会場 シアターX(カイ) (東京・両国)  地図
原作 藤本とし「地面の底がぬけたんです」(思想の科学社刊)
脚本・出演 結 純子
スタッフ Natti、木堂尚員、岡部貴広  企画・制作:木村聖哉
観劇料 前売2,500円、当日3,000円
主催 東京音楽文化センター
協力 現代女性文化研究所、日曜クラブ、フレンズ国際労働キャンプ(FIWC)関東委員会、IDEAジャパン、思想の科学社
お申し込み 東京音楽文化センター Tel. 03-3501-9188 Fax. 03-3591-0017

推薦の言葉

森元美代治(多磨全生園入所者自治会元会長)  ――希望の星――

結純子さんのひとり芝居を四度観た。そのたびに何かを得た。この舞台はハンセン病を患った女性の一生という限られた空間ではなく、万人が求めつづける命の根源の世界だ。同じハンセン病でも、戦前、戦中、戦後を激しく生き抜いた藤本としさんと戦後治る時代に罹患した私などとは生きる世界は同じでも生き方はまるで違っていた。
満たされすぎた現代社会で心を失い、惰眠を貧りつづけるわれわれにとって、生命を燃やし尽くして光となった藤本さんは希望の星だ。その希望の星の光にあやかって非凡の先達に少しでも近づけるよう努力したいものだ。

岡部伊都子(随筆家)  ――身にしみる迫力――

その表情、その動作、その声のメリハリ。美しいおきゃんな少女が、恐ろしいショックを経て、深い凝視となるいきさつが、ここまで全身に記憶され、刻々、感情を籠めた表現となる結純子さんのお力に感動せずにはいられませんでした。
藤本とし原作は、出版直後に読ませてもらい、率直な記録を「書かずにはいられない」激しい憤りにうなずきながら「わかってほしい」願いであちこち献呈したことでした。

鶴見 俊輔(哲学者)  ――ひとり芝居を見て――

結純子さんのひとり芝居は、原作の文章にかくれている力をひきだし、何度か原作を読んできた私に新しい世界を見せた。
はじめに俳優が、私は藤本としではないとことわって、無理にモデルと一体化しない。
この距離のとりかたが、後半、失明するにいたってから、一転して、藤本とし本人がそこにいて動いている印象を観客の中につくりだす。独特の劇のつくりかたに感心した。

筑紫 哲也(ニュースキャスター)  ――「ひとり」の物語ではない――

ハンセン病患者・元患者に負わせた筆舌に尽くしがたい苦しみは人類全体の「大罪」だが、なかでも戦後日本のやったことは罪が深い。最大の責任は国(官僚)に在るが、人々の無知と偏見がこれを支え、国が過ちを認めた今も、後者は根強く残っている。
何が起きたのか−「百の説法」よりも、それを雄弁に語っているのがこの芝居である。
結純子さんは見事な演技と力量で、それを「ひとり」でやってのけるのだが、「ひとり」であることが、このテーマが「ひとり」の物語ではないことをかえって浮き彫りにしている。

地面の底がぬけたんです
思想の科学社
税込価格:\2,100
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hontoで買う(旧bk1)
写真は初版当時の物で、現在販売中の書籍とは表紙が異なります。

原作者:藤本 とし(ふじもと・とし)

1901年東京生まれ。18歳の時にハンセン病を発病。その後、手足が麻痺し、失明する。身体の不自由にもかかわらず、点字を習い、文章を書き、笑いを忘れず仲間に慕われる。1987年、岡山県の国立療養所邑久光明園で逝去。86歳だった。今回の原作「地面の底がぬけたんです」は彼女の感情的な随筆集。思想の科学社からの出版にあたっては、元交流の家管理人、飯川梨貴さんと編集者、那須正尚さんの尽力があった。

結 純子(ゆい・じゅんこ)

東京生まれ。複数の劇団に所属した後、自ら劇団を創り、女優・構成・演出家として活動。構成・演出家としては愚安亭遊佐のひとり芝居「人生勝負一発」で文化庁芸術祭優秀賞を受賞。現在は自ら女優としてひとり芝居の作品を各地で公演するとともに、演劇ワークショップを指導して全く新しいスタイルの舞台を作り、好評を得ている。ひとり芝居「地面の底がぬけたんです」は2001年10月大阪・京都・鳥取で初演。以来各地で熱い反響を呼び、マスコミでも大きく取り上げられている。

[2006年5月20日、木村聖哉]

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