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八重樫信之写真展「それぞれのカミングアウト」―ハンセン病回復者―

終了


© Copyright Yaegashi Nobuyuki 2003

作者は、らい予防法が廃止された1996年4月から全国の療養所を回り、ハンセン病快復者のポートレートと療養所内の様子を撮り、証言を集めてきた。
長い間、世の中の偏見と差別にさらされた快復者たちは、自分の写真が公になることで家族や親類に被害が及ぶのを恐れ、見ず知らずのカメラマンに写真を撮られることを極力避けてきた。写真がどう撮られ、どう発表されるかを心配したからである。新聞社の取材に応じる場合でも、後ろ姿であったり首から下だけの写真であった。
しかし、らい予防法が廃止され、国との賠償訴訟が勝訴するなかで、自分の被害を訴え、尊厳を回復するために実名を名乗り、正面から写真を撮らせる人たちが少しずつ現われてきた。ありのままの自分を撮らせることがカミングアウトになり、社会に踏み出す一歩になるからである。
作者は、シャッターを押すことで、少しでも快復者の役に立てればと願っている。

期間 2003年12月8日(月)〜〜12月25日(木)10:00〜19:00(祝日・日曜日休館)
会場 銀座ニコンサロン (東京都中央区銀座5-11-4ニコンプラザ銀座内 Tel: 03-3248-3783)

八重樫 信之(やえがし・のぶゆき)

1943年、中国・長春に生まれる。69年朝日新聞社入社。新聞・雑誌のカメラマンとして34年間勤務し、今年10月に定年で退社。現在フリーで活動している。

[2003年12月、モグネット]

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